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NASの消費電力と電気代を削減する8つの実践ポイント【2025年版】

NASの消費電力と電気代を削減する8つの実践ポイント【2025年版】

05/12/2025

NASの設定や使い方によっては、思った以上に電気代がかかることがあります。使い方や構成次第では、NASの消費電力が一般的な家庭用冷蔵庫と同じくらいになるケースもあり、家計の負担が増えるだけでなく、結果的にCO₂排出量の増加にもつながってしまいます。

このブログでは、NASの消費電力に影響する主な要因を整理しつつ、パフォーマンスを落とさずに電気代を抑えるための具体的な工夫を紹介します。

知見:

  • NASの消費電力の主な要因は、ハードウェア構成(CPU・HDD/SSD・電源)、利用パターン、RAIDやスピンダウン設定、ネットワーク負荷、設置環境、NASのグレードなど8項目に整理できる。
  • 省電力なNAS向けHDD、SSDキャッシュ、HDD自動スリープ、スケジュール電源オン/オフ、省電力モードなどを組み合わせることで、パフォーマンスを維持しながら電気代を着実に抑えられる。
  • 消費電力を下げることは、電気代の節約だけでなく、発熱低減によるハードウェア寿命の延長、動作安定性の向上、環境負荷の軽減にもつながる。

NASの消費電力に影響する8つのポイントと節約のコツ

NAS(ネットワーク接続ストレージ)の消費電力に影響を与える要素を知っておくことは、効率よく運用しながら電気代を抑えるうえでとても重要です。ここでは、主な8つのポイントと、それぞれの対策方法を解説します。

1. ハードウェア構

どんな影響がある?
NASの中身(CPU、メモリ、HDD/SSD など)の構成は、消費電力に直結します。たとえば、一般的にHDDはSSDよりも電力を多く使いますし、高性能なCPUを積んだモデルはそのぶん電力も多く必要とします。 これらの部品ごとの具体的な消費電力データや、実際の使用環境での電力変動パターンについては、NASの実測消費電力とコスト分析で詳しく解説しています。

intel cpu

節約のコツ

  • 省電力なドライブを選ぶ

    NAS向けに設計されたHDDや、消費電力の少ないSSDを選ぶことで、トータルの電力使用量を抑えられます。とくに WD Red Plus シリーズのようなNAS向けHDDは、24時間稼働を前提とした信頼性と省電力性のバランスが良く、家庭用NASの定番候補と言えます。海外のフォーラムでは「WD Redを4台とSSDを2台搭載したNASで、ディスクが回転したままのアイドル状態の消費電力が約35〜38Wだった」という報告もあり、実際の消費電力をイメージするうえでの目安として参考になります。

  • SSDキャッシュを活用する

    HDDだけで運用するより、SSDキャッシュを組み合わせたほうが、アクセス頻度の高いデータを効率よく処理でき、結果的に無駄な稼働を減らせることがあります。

2. 利用パターン(どのくらい・どう使うか)

どんな影響がある?
24時間フル稼働させるのか、ときどきしかアクセスしないのかによって、消費電力は大きく変わります。動画ストリーミングやバックアップなど、負荷の高い作業が続く時間帯は、アイドル状態よりも多くの電力を使います。

節約のコツ

省電力モードの設定方法

  1. ブラウザで UGREEN NAS の Web 管理画面を開き、管理者アカウントでログインします。
  2. メニューから 「コントロールパネル」→「ハードウェアと電源」 を開きます。
  3. 「一般」内の「電源管理」にある 「省電力」をオン にします。

これで、省電力モードが有効になり、待機時の消費電力を抑えられます。

省電力モードの設定方法

電源の自動オン/オフスケジュールの設定

  1. 同じく 「ハードウェアと電源」→「電源」 を開き、
    「ルールを追加」 をクリックします。

  2. スケジュールの内容を設定します。

    • 頻度毎日 / 平日 / 週末 / カスタム から選択
    • 時間:電源をオン/オフしたい具体的な時刻や時間帯を指定
    • 動作スタートアップ か シャットダウンを選択
  3. 設定が終わったら 保存/適用 し。

電源の自動オン/オフスケジュールの設定

3. 設定・構成(スピンダウンやRAIDなど)

ドライブのスピンダウン(回転停止)やRAIDレベルなど、NASの設定によっても消費電力は変化します。常に全ドライブがフル回転している状態だと、そのぶん電力を消費します。実際、RAID構成の選び方はデータ保護の安全性だけでなく、長期的な電力コストにも影響を与えるため、RAID選択のトレードオフと効率的な設定を理解しておくことが、省エネ運用の第一歩になります。

節約のコツ

ハードディスクの自動スリープを有効にする
UGOS Proシステムは、ハードディスクがアイドル状態にある場合に自動的にスリープモードに入ることをサポートします。

  1. 「コントロールパネル > ハードウェアと電源 > 電源」に移動します。
  2. ハードディスクのハイバネーションオプションを見つけて、ハードディスクや USB ハードディスクがアイドル状態になってから何分後にハイバネーションに入るかを設定できます。
  3. 必要に応じて、「HDD ハイバネーションのログを記録する」にチェックを入れることで、ハイバネーション状態の記録を後で確認できます。

RAIDレベルを見直す
RAID 5やRAID 6は複数ドライブを常時動かすため、そのぶん電力も必要です。必要な冗長性や容量とのバランスを見ながら、RAID構成を検討しましょう。

raid 5

4. ネットワークの使い方

どんな影響がある?
同時にアクセスする端末の数が多かったり、大量のデータを高速で転送し続けると、NAS本体の負荷も上がり、消費電力も増えます。

節約のコツ

  • 同時接続数を必要以上に増やさない
    特に重い処理をしているときは、不要なデバイスからのアクセスを控えるなど、運用ルールを決めておくと安心です。

  • 大量データの転送は時間帯を工夫する
    家族がNASをあまり使わない夜間にバックアップや大容量コピーを行うようスケジュールしておくと、体感的な負荷も分散できます。

5. 電源ユニット(PSU)の効率

どんな影響がある?
同じ消費電力でも、電源ユニットの効率が悪いと、コンセントから余計な電力を引き込んでしまいます。効率の良いPSUは無駄なロスが少なく、トータルの電力使用量を抑えられます。

節約のコツ

  • 効率の高い電源ユニットを選ぶ
    80 PLUS GoldPlatinum など、高効率規格に対応した電源ユニットを採用したNASは、ロスが少なく省エネです。

  • UPS(無停電電源装置)の使い方に注意
    UPSは停電対策として有効ですが、本体分の待機電力もかかります。常に必須でない環境では、導入の有無や運用方法も含めて検討するとよいでしょう。

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6. ファームウェア・ソフトウェア

どんな影響がある?
NASのファームウェアやOS、アプリが最新でないと、省電力機能が十分に活かされていなかったり、無駄な負荷がかかっている場合があります。

節約のコツ

  • ファームウェアを定期的に更新する
    メーカーが提供する最新ファームウェアには、消費電力を抑えるための最適化や新しい省エネ機能が含まれていることがあります。

  • 省電力機能をチェックして有効化する
    スケジュール電源オフ、HDDスリープ、アクセスパターンに応じた省エネモードなど、NAS OS側のエコ設定を見直してみましょう。

7. 設置場所・環境

どんな影響がある?
高温な場所や風通しの悪い場所にNASを置いていると、冷却ファンが常に高回転になり、そのぶん電力も必要になります。熱がこもるとハードウェアの寿命に影響することも。

節約のコツ

  • 風通しの良い場所に設置する
    直射日光が当たる場所や、他の機器の熱がこもりやすいテレビボードの奥などは避けて、なるべく空気の流れがある場所を選びましょう。

8. NASのタイプ(ホーム向けか、エンタープライズ向けか)

どんな影響がある?
大規模オフィスやデータセンター向けのエンタープライズNASは、性能や拡張性が高い分、消費電力も大きくなりがちです。家庭利用ではオーバースペックになってしまうこともあります。

節約のコツ

  • 用途に合ったグレードを選ぶ
    家庭や小規模オフィスで使うのであれば、ホーム/SOHO向けに設計されたNASを選ぶことで、必要十分な性能を保ちつつ、消費電力も無駄なく抑えられます。

NASの消費電力を抑えるメリット

NASの省エネ運用は、単に電気代を節約できるだけでなく、さまざまな面でプラスに働きます。

  • 電気代の削減

    不要な常時稼働や、無駄な高負荷状態を減らすことで、毎月の電気代を抑えられます。小さな違いでも、1年単位で見れば意外と大きな差になります。

  • ハードウェアの寿命が延びる

    消費電力が少ない=発熱も抑えられるため、HDDや電源ユニットなどの負担が軽くなります。熱は電子機器の大敵なので、温度を下げることは故障リスクの低減にもつながります。

  • 環境負荷の軽減

    1台のNASの消費電力を下げることは、わずかな差に見えるかもしれませんが、長時間稼働する機器だからこそ、CO₂排出量の削減にも確実に貢献します。

  • 動作の安定性・パフォーマンスの向上

    温度が安定した状態で動作しているNASは、パフォーマンスも安定しやすく、アクセス速度のムラやエラーも起こりにくくなります。結果として、日々の使い勝手の向上にもつながります。

まとめ:省エネ設定で、NASもお財布も長持ちに

NASは「一度設置したらつけっぱなし」になりやすい機器だからこそ、ちょっとした設定や選び方の違いが、電気代や寿命に大きく影響します。

  • ハードウェア構成やNASのグレード選び
  • 使わない時間帯のスリープ設定やスケジュール電源
  • 省電力機能やファームウェアの見直し
  • 設置場所の環境づくり

こうしたポイントを押さえておくだけでも、長期的なコストとトラブルを大きく減らすことができます。

パフォーマンスと省エネのバランスをうまく取りながら、快適でムダの少ないNAS環境を作ってみてください。

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