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NASのRAID選び方:RAID 1・5・6・10の違いと失敗しない選択基準

#NAS RAIDの知識

NASのRAID選び方:RAID 1・5・6・10の違いと失敗しない選択基準

17/07/2025

RAIDの構成を考えるとき、多くのユーザーが似たところで足を止めます。冗長性が必要なことはわかっている。RAIDレベルごとの概要も把握している。しかし、実際にどれを選べばよいかとなると、判断がつかなくなる。

結論:用途別おすすめRAID構成

NAS構成 推奨RAID 向いている用途 注意点
2ベイ RAID 1 写真、動画、PCバックアップ 容量効率は50%
3〜4ベイ RAID 5 容量重視のホームNAS 再構築中のリスクを過信しない
4〜8ベイ RAID 6 重要データの長期保存、複数人利用 4ベイでは容量効率が低い
4ベイ以上 RAID 10 小ファイル、仮想マシン、Docker、開発環境 容量効率は基本50%
重要データを保存するNAS RAID + バックアップ 家族写真、仕事データ、長期保管データ RAIDだけでは不十分

RAIDはバックアップではありません。 RAIDは主にHDD故障への備えです。誤削除、ランサムウェア、ファイル破損、NAS本体の故障、災害、盗難には別のバックアップが必要です。

UGREEN NAS RAID 計算ページ

RAID選びで最初に見るべき4つの判断軸

RAIDレベルの違いは、単に「何台まで壊れても大丈夫か」だけでは判断できません。実際のNAS運用では、次の4つをまとめて見る必要があります。

判断軸 見るべきポイント
ベイ数 2ベイ、4ベイ、6ベイ、8ベイで最適解が変わる
容量効率 RAID 5/6はドライブ数で効率が変わる
再構築リスク 大容量HDDほど再構築時間と読み出し量が増える
I/O特性 小ファイルやランダム書き込みではRAID 10が有利

特に見落とされやすいのが、サイレントデータ破損SMR HDD小ファイル性能です。NASを長く使う場合はこの3点が安定性に直結します。

RAID 1・5・6・10の違い

RAIDレベルは、故障したドライブの数で耐障害性を測るのが一般的です。RAID 1は1台の故障RAID 5は1台の故障RAID 6は2台の故障に耐えられます。

RAID 10は少し特殊です。ミラーセットごとに1台の故障には耐えられますが、同じミラーペア内の2台が故障するとデータを失います。つまり、故障するディスクの組み合わせによって結果が変わります。

RAIDレベル 最小ドライブ数 故障耐性 容量効率 特徴
RAID 1 2台 1台 50% シンプルで復旧しやすい
RAID 5 3台 1台 (n-1)/n 容量効率に優れるが、再構築中のリスクに注意
RAID 6 4台 2台 (n-2)/n ドライブ数が増えるほど容量効率が上がる
RAID 10 4台 ミラーペア構成による 基本50% 高速で、ランダム書き込みに強い

RAID 10は「何台まで壊れても安全」と単純には言えません。4台構成の場合、別々のミラーペアから1台ずつ故障すれば運用を継続できますが、同じミラーペアの2台が故障すると復旧できません。この非対称性を理解しておくことが重要です。

RAID 5を選んでよいケース、避けるべきケース

RAID 5は、容量効率と冗長性のバランスに優れた構成です。3台以上のHDDで構築でき、1台分をパリティに使い、残りをデータ領域として利用します。

たとえば4台構成なら、1台分を冗長性に使い、3台分をデータ領域として使えます。3台構成なら、2台分をデータ領域として使えます。

RAID 5 の構成図

RAID 5を選んでよいケース

  • 容量効率を重視したい
  • 3〜4ベイNASで実効容量を確保したい
  • 保存するデータの多くが写真、動画、バックアップファイルなどの大きめのファイル
  • 別媒体へのバックアップを用意している
  • 再構築中のリスクを理解している
  • NASの停止時間が多少発生しても許容できる

RAID 5を避けるべきケース

  • バックアップなしで重要データを保存する
  • 大容量HDDを多数使う
  • 再構築中のリスクを許容できない
  • 小ファイルやランダム書き込みが多い
  • SMR HDDを使っている
  • 業務データや長期保管データを扱う

RAID 5は「安いから選ぶ」構成ではありません。容量効率を得る代わりに、再構築中のリスクを受け入れる構成です。重要データを保存する場合は、別媒体へのバックアップを必ず組み合わせてください。

RAID 6を選ぶべきケース

RAID 6は、RAID 5よりも安全性を重視した構成です。2台のドライブ故障に耐えられるため、再構築中にもう1台が故障してもデータを維持できる可能性があります。

RAID 6の容量効率は、ドライブ数によって変わります。

RAID 6 の構成図
ドライブ数 RAID 6の利用可能容量 容量効率
4台 2台分 50%
6台 4台分 約67%
8台 6台分 75%

4ベイのRAID 6は、RAID 10と同じく容量効率が50%になります。そのため、4ベイでは「安全性を重視してRAID 6にするか」「性能と再構築の速さを重視してRAID 10にするか」を比較する必要があります。

一方、6ベイや8ベイになると、RAID 6の容量効率は改善します。6ベイ以上のNASでは、RAID 6は安全性と容量効率のバランスを取りやすい構成になります。

RAID 6が向いているケース

  • 4ベイ以上のNASを使う
  • 6ベイ以上で容量効率も確保したい
  • 重要データを長期保存する
  • 複数人で共有する
  • HDD容量が大きい
  • 再構築中のリスクを抑えたい
  • 容量効率より安全性を優先したい

ただし、RAID 6もバックアップの代わりにはなりません。2台故障に耐えられるからといって、誤削除、ファイル破損、ランサムウェア、NAS本体故障まで防げるわけではありません。

RAID 10を選ぶべきケース

RAID 10は、速度と安定性を重視する構成です。ミラーリングで冗長性を確保し、ストライピングで性能を高めます。

RAID 10は、次のような用途に向いています。

  • 仮想マシンを動かす
  • Dockerや開発環境を使う
  • 小さなファイルを大量に扱う
  • データベースを使う
  • 写真管理アプリでサムネイルやメタデータを頻繁に処理する
  • 書き込み性能と応答性を重視する
  • 再構築時間を短くしたい

RAID 10はパリティ計算がないため、RAID 5やRAID 6よりランダム書き込みに強い傾向があります。容量効率は基本的に50%ですが、小ファイル中心の用途では体感性能と安定性で有利です。

一方で、RAID 10の故障耐性は故障するドライブの組み合わせに左右されます。別々のミラーペアから1台ずつ故障すれば耐えられますが、同じミラーペアの2台が故障するとデータを失います。安全性を過信せず、バックアップと監視を組み合わせて運用してください。

RAID 10 の構成図

ベイ数別:UGREEN NASでのRAID選択の目安

RAID構成は、NAS本体のベイ数と用途で選ぶべきです。UGREEN NASで考える場合も、まずは2ベイ、4ベイ、6ベイ、8ベイの違いを整理すると判断しやすくなります。

ベイ数 RAID選択の目安 向いているUGREEN NAS
2ベイ RAID 1 UGREEN NASync DH2300 Plus
4ベイ RAID 5 / RAID 6 / RAID 10 UGREEN NASync DXP4800 Plus
6ベイ RAID 6 / RAID 10 UGREEN NASync DXP6800 Pro

4ベイのDXP4800 Plusでは、容量効率を重視するならRAID 5、安全性を重視するならRAID 6、速度や小ファイル性能を重視するならRAID 10が候補になります。ただし、4台構成のRAID 6は容量効率が50%になるため、RAID 10との比較が必要です。

6ベイのDXP6800 Proでは、RAID 6の容量効率が約67%まで上がります。重要データを保存しながら容量も確保したい場合は、RAID 6が有力です。動画編集、仮想マシン、Docker、開発環境などI/Oの多い用途では、RAID 10も検討対象になります。

製品ごとの対応RAID、最大容量、メモリ、ネットワークポートはモデルによって異なります。購入前には、UGREEN NASモデル比較と各製品ページで仕様を確認してください。

容量効率の比較:4ベイだけで判断しない

RAIDレベルは利用可能な容量に直接影響します。ただし、RAID 6のようにドライブ数で容量効率が変わる構成は、4ベイだけで判断すると誤解しやすくなります。

以下は、同じ容量のHDDを使う場合の考え方です。

RAIDレベル 利用可能容量の目安 容量効率の特徴
RAID 1 総容量の50% 2ベイ向け。シンプルだが容量効率は低い
RAID 5 総ドライブ数から1台分を差し引く ドライブ数が増えるほど効率が上がる
RAID 6 総ドライブ数から2台分を差し引く 4台では50%、6台以上で効率が改善
RAID 10 総容量の約50% ベイ数が増えても基本的に50%

4ベイでは、RAID 6とRAID 10の容量効率はどちらも50%です。しかし、6ベイや8ベイではRAID 6の方が容量効率で有利になります。容量効率だけで見るなら、RAID 6はベイ数が多いほど強くなる構成です。

一方、RAID 10は容量効率では不利ですが、ランダム書き込み、小ファイル、再構築の速さで有利です。容量を取るか、応答性を取るかで判断が分かれます。

ハードウェア要件の影響

RAID構成の安定性は、HDDだけでなくNAS本体の性能にも影響されます。RAID 5やRAID 6では、パリティ計算や再構築処理によってCPUに負荷がかかります。暗号化、Docker、仮想マシン、写真管理アプリ、メディアサーバを併用する場合は、メモリとCPUに余裕が必要です。Dockerも併用する予定がある場合は、RAID構成だけでなく、コンテナの起動方法やポート設定まで含めて運用を考える必要があります。UGREEN NASでの導入手順は、UGREEN NASでDockerを使う方法で確認できます。

RAID 6やRAID 10を検討する場合は、4ベイ以上のNASが前提になります。保存容量、HDD台数、Dockerや写真管理アプリの利用有無を整理したうえで、対応ベイ数に合うUGREEN NASを選ぶと構成ミスを避けやすくなります。

よくある質問

4ベイNASならRAID 5、RAID 6、RAID 10のどれがよいですか?

容量重視ならRAID 5、安全性重視ならRAID 6、速度や小ファイル性能を重視するならRAID 10です。ただし、4ベイのRAID 6は容量効率が50%になるため、RAID 10と比較して選ぶ必要があります。

RAID 5は危険ですか?

RAID 5そのものが危険というより、バックアップなしでRAID 5に重要データを保存する運用が危険です。大容量HDDでは再構築時間が長くなりやすいため、RAID 6やRAID 10、別媒体へのバックアップも検討してください。

RAID 6とRAID 10はどちらが安全ですか?

単純な故障台数だけで見ると、RAID 6は任意の2台故障に耐えられます。RAID 10は別々のミラーペアであれば複数台故障に耐えられる場合がありますが、同じミラーペアの2台が故障すると復旧できません。安全性を重視するならRAID 6、性能と再構築の速さを重視するならRAID 10が候補になります。

RAIDはバックアップの代わりになりますか?

なりません。RAIDはHDD故障への備えであり、誤削除、ランサムウェア、ファイル破損、NAS本体故障、災害には対応できません。重要データは、外付けHDD、別NAS、クラウド、オフサイトバックアップなどに複製してください。

NASにはSMR HDDを使ってもよいですか?

RAID構成では避けるべきです。特にRAID 5やRAID 6では、SMR HDDの書き込み特性が再構築やランダム書き込みと相性が悪く、性能低下や不安定化につながることがあります。NASにはCMR方式のHDDを選ぶのが安全です。

まとめ:RAIDはベイ数、用途、バックアップ前提で選ぶ

RAIDレベルの選定は、性能や冗長性だけでなく、ベイ数、容量効率、再構築リスク、保存するデータの重要度まで含めて判断する必要があります。

2ベイならRAID 1、3〜4ベイで容量を重視するならRAID 5、4ベイ以上で安全性を重視するならRAID 6、小ファイルや仮想マシンなど性能重視ならRAID 10が基本です。

構成を組む前に、自分の使い方がどのタイプに近いのかを確認し、それに応じたRAIDレベル、HDD、NAS本体、バックアップ方法を選ぶことが、長期的な安定につながります。

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