UGREEN NASのRAIDタイプを変更する方法:Basic→RAID 1→RAID 5の手順と条件
UGREEN NAS(UGOS Pro)では、ストレージプールの既存データを保持したまま、RAIDタイプを変更できます。たとえば、BasicからRAID 1へ変更したり、RAID 1からRAID 5へ変更したりするケースです。
ただし、この変更にはモデルのベイ数、追加ディスク、変更方向の条件があり、条件を満たさない構成では実行できません。特に重要なのは、RAID変更はデータ保護を保証する作業ではないという点です。既存データを保持したまま変更できる場合でも、操作ミス、HDD不良、停電、再構築中のエラーが起きる可能性があります。作業前には、必ずNAS外へバックアップを作成してください。

キーポイント
- サポートされる変更はアップグレード方向(Basic→RAID 1→RAID 5)です。 RAID 5からRAID 1のような逆方向への変更はできません。
- RAID 5への変更には3台以上のドライブが必要です。 2ベイモデル(DH2300、DXP2800)ではRAID 5に変更できません。
- 変更前のフルバックアップは必須です。 処理は数時間〜数十時間に及び、途中の停電や中断はプール全体の損失につながるリスクがあります。
- 追加するディスクは、プール内の最小ドライブ以上の容量が必要で、追加時に中のデータはすべて消去されます。
- RAID 5に変更しても、バックアップが不要になるわけではありません。 RAIDが守るのはHDD故障だけです。
あなたのモデルで変更できるか
RAIDタイプの変更可否は、まずベイ数で決まります。RAID 5には最低3台のドライブが必要なため、2ベイモデルでは物理的に不可能です。
| モデル | ベイ数 | Basic→RAID 1 | RAID 5への変更 |
|---|---|---|---|
| DH2300 | 2ベイ | 空きベイがあれば可 | 不可(3台以上を搭載できない) |
| DXP2800 | 2ベイ | 空きベイがあれば可 | 不可(同上) |
| DXP4800 Plus | 4ベイ | 可 | 空きベイ+追加ディスクで可 |
| DXP6800 Pro | 6ベイ | 可 | 可 |
| DXP8800 Plus | 8ベイ | 可 | 可 |
DH2300やDXP2800で「RAID 1からRAID 5へ変更したい」と考えている場合、そのモデルでは実現できません。容量を増やしたい場合は、大容量HDDへの1台ずつの交換(RAID 1対応)が代わりの手段になります。

変更できるRAIDパスとできないパス
UGOS Proがサポートする変更パスは、アップグレード方向のみです。
| 現在の構成 | 変更先 | 追加ディスク数の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Basic | RAID 1 | 1台 | 2台構成にする場合 |
| Basic | RAID 5 | 2台 | 3台以上が必要 |
| RAID 1 | RAID 5 | 1台 | 3台以上が必要 |
いずれのパスでも、既存データを保持したまま変更できます。
一方、RAID 5からRAID 1、RAID 1からBasicのような逆方向の変更は、変更機能では行えません。構成を戻したい場合は、バックアップを取ったうえでストレージプールを削除し、新しいRAIDタイプで作り直してデータを復元する手順になります。
重要な注意があります。
UGOS Proで選択できる変更先は、現在のRAIDタイプ、ドライブ数、空きベイ、追加するHDDの容量、ストレージプールの状態によって変わります。管理画面で選択肢が表示されないRAIDタイプには変更できません。
管理画面に目的の変更先が表示されない場合、それは条件を満たしていないことを意味します。表示されない選択肢を無理に実現する方法はありません。
RAIDタイプ変更前の準備
RAIDタイプの変更は、プール全体のデータを再配置する長時間の処理です。開始前に、次の3点を必ず済ませてください。
フルバックアップを取り、復元できることを確認する
処理中の停電、ディスク障害、強制終了は、プール全体の損失につながるリスクがあります。変更前に、外付けHDDやクラウドへ重要データのバックアップを取り、実際にファイルが開けることまで確認してください。
追加するディスクの条件を確認する
- 容量は、ストレージプール内で最小のドライブ以上が必要です
- 追加時に、ディスク内のデータはすべて消去されます。使い回しのHDDは中身を先に退避してください
- NAS向けに設計されたCMR方式のHDDを選び、できれば既存ドライブと同シリーズ・同容量でそろえてください。購入前にUGREEN NAS対応デバイス一覧で互換性を確認できます
UPS(無停電電源装置)を用意する
RAIDタイプ変更は、HDD容量やデータ量によって数時間から数十時間かかる場合があります。大容量HDDを使っている場合は、さらに長くなることもあります。停電や電源断が起きると、RAID変更が失敗する可能性があります、UPSの利用も検討してください。
RAID 1からRAID 5へ変更する手順
最も利用の多いパスであるRAID 1→RAID 5を例に、手順を示します。BasicからRAID 1/RAID 5への変更も、流れは同じです。
- UGOS Proにログインし
- [ストレージ] > [ストレージ管理] > [ストレージプールとスペース]に進みます。
- RAIDタイプを変更したいストレージプールを見つけ、右側の「…」アイコンをクリックして、「RAIDタイプの変更」を選択します。
- ポップアップしたオプションから、変更したいRAIDタイプを選択し、「今すぐ変更する」をクリックします。
- ストレージプールに追加する利用可能なハードディスクを選択します。
- 設定を確認し、「適用」をクリックして作成を完了します。変更中は、ストレージプールの状態が「RAIDタイプ変更中」に変わります。変更が完了すると、ストレージプールの状態は「正常」に戻ります。ストレージプールの右側の「…」アイコンをクリックして、現在のRAIDタイプを確認できます。

処理が始まったら、完了までNASの電源を切らないでください。
処理中の注意
時間がかかります。 所要時間はデータ量とディスク容量に依存し、数時間から数十時間に及ぶことがあります。進捗はストレージ管理画面で確認できます。作業は、時間に余裕のある週末などに計画してください。
パフォーマンスが低下します。 処理中もNASは利用できますが、読み書き速度は大きく低下します。処理中の大量のファイル操作やバックアップジョブは避けてください。
HDD温度について。 RAID変更処理ではHDDに高負荷がかかるため、通常運用時よりも温度が上昇しやすくなります。温度警告が発生した場合、または高温状態が継続する場合は、作業継続前にサポートに問い合わせることを推奨します。
HDD健全状態について。 RAID変更中はHDDへの負荷が大幅に増加するため、経年劣化したHDDにおいてエラーが発生する可能性があります。異常が検出された場合は、無理に作業を継続せず、データ保護を最優先に対応してください。
システム通知・ログについて。 システムログは、トラブル発生時の原因調査・検証に用いる重要な資料となります。長時間を要するRAID変更作業中は、途中の各種通知・ログを漏らさず確認してください。特に、HDDエラー、I/Oエラー、ストレージプール異常、同期失敗、温度警告、電源関連の異常、ファイルシステムエラーなどが発生した場合は、速やかに対応してください。
電源を維持してください。 停電や強制終了は、変更の失敗とデータ損失に直結します。UPSを接続し、処理が完了するまで電源に触れないでください。
変更後の確認
処理が完了したら、次の3点を確認して作業を終えます。
- ストレージプールの状態が「正常」であること。 ストレージ管理画面で、プールと全ディスクの状態を確認します。
- 実効容量が想定通りに増えていること。 たとえば4TB×2台のRAID 1(実効約4TB)に4TBを1台追加してRAID 5にすると、実効容量は約8TBになります。RAID構成ごとの実効容量はRAID容量計算ツールで確認できます。
- データに正常にアクセスできること。 共有フォルダのファイルが開けることを確認します。
RAID変更できない場合の原因
管理画面でRAIDタイプを変更できない場合、次の原因が考えられます。
追加HDDの容量が足りない
追加HDDの容量が、既存ストレージプール内の最小HDDより小さい場合、RAID変更に使えないことがあります。
同じ容量またはそれ以上のHDDを用意してください。
HDDが未使用状態ではない
追加HDDに既存のストレージプール、ボリューム、データがある場合、RAID変更用のHDDとして選択できないことがあります。
必要なデータをバックアップしたうえで、HDDを初期化する必要がある場合があります。
HDDの健康状態に問題がある
SMARTエラーや健康状態の異常があるHDDは、RAID変更に使わないでください。
RAID変更中はHDDに負荷がかかるため、劣化したHDDを使うと失敗リスクが高くなります。
ストレージプールに異常がある
ストレージプールが正常ではない場合、RAID変更を実行できないことがあります。
先にストレージプールの状態を確認し、必要に応じて修復やサポートへの相談を行ってください。
管理画面に変更先が表示されない
UGOS Proの管理画面に変更先RAIDタイプが表示されない場合、その構成では変更できません。
現在のRAIDタイプ、HDD台数、容量、空きベイ、ストレージプール状態によって選択肢は変わります。表示されないRAIDタイプへ無理に変更することはできません。
RAIDの交換に関するよくある質問
RAIDタイプを変更するとデータは消えますか?
既存のストレージプールのデータは保持されたまま変更されます。ただし、追加するディスク内のデータはすべて消去されます。また、処理中の停電や障害はプール全体の損失につながるリスクがあるため、変更前のフルバックアップは必須です。
DH2300でRAID 5に変更できますか?
できません。RAID 5には3台以上のドライブが必要で、DH2300は2ベイのため物理的に搭載できません。DXP2800も同様です。RAID 5を使いたい場合は4ベイ以上のモデルが必要です。2ベイモデルで容量を増やすには、大容量HDDへの1台ずつの交換が代わりの手段になります。
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RAID 5からRAID 1に戻せますか?
変更機能では戻せません。サポートされるのはBasic→RAID 1→RAID 5のアップグレード方向のみです。構成を戻すには、バックアップを取ったうえでストレージプールを削除し、RAID 1で作り直してデータを復元する必要があります。
変更にはどれくらい時間がかかりますか?
データ量とディスク容量によりますが、数時間から数十時間かかることがあります。処理中はNASの電源を切らず、UPSで電源を保護してください。
変更中にNASは使えますか?
使えますが、読み書き速度が大きく低下します。処理中の大量のファイル操作は避け、負荷の低い時間帯に作業を計画してください。
追加するディスクの条件はありますか?
ストレージプール内の最小ドライブ以上の容量が必要です。追加時にディスク内のデータはすべて消去されます。NAS向けのCMR方式HDDを選び、既存ドライブと同シリーズ・同容量でそろえるのが安全です。
まとめ
UGREEN NASのRAIDタイプ変更は、Basic→RAID 1→RAID 5のアップグレード方向で、既存データを保持したまま実行できます。RAID 5への変更には3台以上のドライブが必要なため、2ベイモデル(DH2300、DXP2800)では利用できません。
変更中は、NASの電源を切らず、再起動せず、HDDを抜かないでください。進行状況、HDD温度、HDD健康状態、システム通知を確認し、完了後はストレージプール状態、RAIDタイプ、共有フォルダ、アプリ、重要ファイル、バックアップ設定を確認します。
