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RAID 5・6・10の違い|4ベイ以上NASの選び方

RAID 5・6・10の違い|4ベイ以上NASの選び方

05/07/2025

前回の記事では、RAIDとは何かという基本を解説しました。RAIDは、複数のHDDやSSDを組み合わせて、容量効率、速度、HDD故障への備えを調整するストレージ構成です。

本記事では、4ベイ以上のNASで選択肢になりやすいRAID 5、RAID 6、RAID 10を中心に比較します。

RAID 5 VS RAID 6 VS RAID 10

2ベイNASで使われるRAID 0やRAID 1について知りたい場合は、RAID 0とRAID 1の違いを確認してください。本記事では、4ベイ以上のNASで容量、安全性、復旧、速度をどう考えるべきかに絞って解説します。

重要なポイント

  • 容量効率ならRAID 5
  • 安全性ならRAID 6
  • 小ファイル・仮想マシンならRAID 10
  • RAIDはファイル破損を万能に検出・修復する仕組みではありません。 長期保存ではバックアップと定期的な状態確認も必要です。

RAID 5、RAID 6、RAID 10は何が違うのか

4ベイ以上のNASでは、容量効率、安全性、速度のバランスを考えてRAID構成を選ぶ必要があります。

RAID構成 最低必要HDD数 故障耐性 容量効率の目安 向いている用途
RAID 5 3台 1台故障に対応 HDD台数から1台分を差し引く 容量効率と冗長性のバランス
RAID 6 4台 2台故障に対応 HDD台数から2台分を差し引く 重要データ、大容量構成
RAID 10 4台 ミラーペア構成による 約50% 小ファイル、仮想マシン、速度重視

RAID 5は容量効率に優れます。RAID 6は2台故障に耐えられるため、安全性を高めやすい構成です。RAID 10は容量効率では不利ですが、ランダム書き込みや小ファイル処理に強い構成です。

RAID 10は、ミラーリングしたペアをストライピングする構成です。そのため、基本的には4台以上の偶数台構成が前提になります。6ベイなら3つのミラーペア、8ベイなら4つのミラーペアとして考えると、利用可能容量はおおむね総容量の50%です。

RAID 5、RAID 6、RAID 10の容量効率を比較する

RAIDを選ぶとき、まず確認したいのが利用可能容量です。同じHDD本数でも、RAIDレベルによって実際に使える容量は大きく変わります。

以下は、すべて同じ容量のHDDを使う場合の目安です。

構成 4台構成 6台構成 8台構成
RAID 5 3台分 5台分 7台分
RAID 6 2台分 4台分 6台分
RAID 10 2台分 3台分 4台分

たとえば、4TBのHDDを4台使う場合、利用可能容量の目安は次のようになります。

RAID構成 利用可能容量の目安 容量効率 判断のポイント
RAID 5 約12TB 75% 容量効率を重視する場合に有利
RAID 6 約8TB 50% 2台故障への備えを重視する場合に有利
RAID 10 約8TB 50% 速度や小ファイル性能を重視する場合に有利

4ベイ構成では、RAID 6とRAID 10の容量効率はどちらも50%です。そのため、4ベイNASでは「安全性を重視してRAID 6にするか」「速度や再構築のシンプルさを重視してRAID 10にするか」を比較する必要があります。

6ベイや8ベイになると、RAID 6の容量効率は改善します。6ベイでは約67%、8ベイでは75%の容量効率になるため、大容量データを保存しながら2台故障への備えも確保しやすくなります。

実際の利用可能容量は、HDD容量、台数、RAIDレベルによって変わります。構成を決める前に、RAID容量計算ツールで事前に確認しておくと安全です。

RAID容量計算ツール

RAID 5、RAID 6、RAID 10は何台まで故障に耐えられるのか

RAIDの耐障害性は、「何台までHDDが故障しても運用を継続できるか」で比較されることが多いです。ただし、単純な故障台数だけで判断すると誤解が生じます。

RAID構成 故障耐性 注意点
RAID 5 1台故障に対応 再構築中にもう1台故障するとデータを失う
RAID 6 2台故障に対応 容量効率と書き込み性能のトレードオフがある
RAID 10 ミラーペア構成による 同じミラーペアの2台が故障すると復旧できない

RAID 5は、1台のHDD故障に対応できます。ただし、故障したHDDを交換して再構築している間に、別のHDDが故障するとデータを失います。

RAID 6は、2台のHDD故障に対応できます。再構築中にさらに1台のHDDが故障しても、データを維持できる可能性がある点が強みです。

RAID 10は、RAID 1のミラーリングとRAID 0のストライピングを組み合わせた構成です。別々のミラーペアから1台ずつ故障した場合は運用を継続できる場合がありますが、同じミラーペア内の2台が故障するとデータを失います。

再構築リスク:大容量HDDではRAID 5を過信しない

RAID 5、RAID 6、RAID 10では、HDDが故障した後に新しいHDDへ交換し、データを再構築する作業が必要になります。

特にRAID 5とRAID 6では、パリティ情報を使ってデータを再構築します。HDD容量が大きくなるほど、再構築にかかる時間も長くなり、残りのHDDにも大きな負荷がかかります。

RAID構成では、HDDの品質も重要です。RAID 5やRAID 6を使う場合は、一般的なデスクトップ向けHDDではなく、NAS向けのCMR方式HDDを選ぶ方が安全です。詳しくは、NAS HDD選びガイドで確認できます。

速度や小ファイル性能を重視するならRAID 10を検討する

RAIDの速度は、読み書きの種類によって評価が変わります。大きなファイルを連続して読み書きする場合と、小さなファイルを大量に扱う場合では、向いているRAID構成が異なります。

用途 向いている構成 理由
大容量メディア保存 RAID 5 / RAID 6 容量効率を確保しやすい
写真・動画の長期保存 RAID 6 2台故障への備えを確保しやすい
仮想マシン RAID 10 ランダムI/Oに強い
Dockerや開発環境 RAID 10 小ファイルや頻繁な書き込みに向く
一般的なファイル共有 RAID 5 / RAID 6 容量と安全性のバランスを取りやすい

また、NASではRAID構成だけでなく、ネットワーク環境も速度に影響します。1GbE環境では、RAID構成の差よりネットワーク側が先にボトルネックになる場合があります。2.5GbEや10GbE環境では、RAID構成やHDD/SSD構成の差が見えやすくなります。転送速度が想定より出ない場合は、RAID構成を変更する前に、LANケーブル、スイッチ、PC側NIC、SMB設定などを切り分けると判断しやすくなります。具体的な確認ポイントは、UGREEN NASが遅い原因の確認で整理しています。

NAS本体の処理性能もRAID運用に影響する

RAID 5やRAID 6では、データとパリティ情報を使って冗長性を確保します。そのため、通常運用時の書き込みや、HDD故障後の再構築では、NAS本体のCPU、メモリ、HDDに負荷がかかります。

家庭での写真・動画保存や一般的なファイル共有であれば、多くの場合は大きな問題になりません。ただし、Docker、仮想マシン、メディアサーバ、写真管理アプリなどを同時に使う場合は、RAID処理以外にもCPUとメモリを消費します。

4ベイ以上のNASでRAID 5、RAID 6、RAID 10を使う場合は、HDD本数や容量だけでなく、NAS本体の処理性能にも余裕を持たせると安定しやすくなります。特に大容量HDDを使う場合や、複数のアプリを同時に動かす場合は、CPU、メモリ、ネットワーク性能まで含めてモデルを選ぶことが重要です。用途に合うベイ数や性能を確認したい場合は、UGREEN NAS製品一覧から、4ベイ、6ベイ、8ベイなどの対応モデルを比較できます。

用途別に見るRAID 5・RAID 6・RAID 10の選び方

RAIDは「どれが最強か」ではなく、「どの用途に合うか」で選ぶべきです。

用途 推奨構成 理由
4ベイで容量効率を重視 RAID 5 4台中3台分を利用できる
4ベイで安全性を重視 RAID 6 2台故障に対応できる
4ベイで速度や小ファイル性能を重視 RAID 10 ランダム書き込みに強い
6ベイ以上で重要データを保存 RAID 6 容量効率と安全性を両立しやすい
仮想マシンやDockerを使う RAID 10 応答性と書き込み性能を確保しやすい
大容量メディアライブラリ RAID 5 / RAID 6 容量と冗長性のバランスを取りやすい

 

地震・停電に備えるならRAIDだけでは不十分

日本でNASを使う場合、地震や停電への備えも考える必要があります。ただし、RAIDは地震対策そのものではありません。

RAID 6は2台のHDD故障に対応できますが、NAS本体の落下筐体の破損電源トラブル火災水害盗難には対応できません。RAID 1、RAID 5、RAID 6、RAID 10のどれを選んでも、物理的な災害や誤削除には別の対策が必要です。

重要データを守るには、RAIDに加えて次の対策を組み合わせてください。

対策 目的
外付けHDDや別NASへのバックアップ NAS本体故障や誤削除に備える
クラウドバックアップ 災害や盗難に備える
UPSの利用 停電や瞬断によるトラブルを減らす
NAS本体の安定した設置 転倒や落下リスクを減らす
HDD状態の監視 故障の兆候を早めに見つける

RAIDはHDD故障への備えです。災害対策やバックアップとは役割が異なります。大切な写真、動画、仕事用ファイルを保存する場合は、RAID構成とバックアップを分けて考える必要があります。

UGREEN NASでRAID 5・RAID 6・RAID 10を選ぶ目安

UGREEN NASでは、モデルやベイ数によって選べるRAID構成が変わります。2ベイNASでは主にBasic、JBOD、RAID 0、RAID 1が候補になります。4ベイ以上のモデルでは、RAID 5、RAID 6、RAID 10も選択肢に入ります。

4ベイ以上のUGREEN NASでRAIDを選ぶ場合は、次のように考えると整理しやすくなります。

{{UGPRODUCT}}

モデル例 ベイ数 RAID選択の目安
UGREEN NASync DXP4800 Plus 4ベイ RAID 5、RAID 6、RAID 10を用途で比較
UGREEN NASync DXP6800 Pro 6ベイ RAID 6で容量効率と安全性を両立しやすい
UGREEN NASync DXP8800 Plus 8ベイ 大容量構成でRAID 6を選びやすい

 

まとめ:

どのRAID構成を選んでも、RAIDはバックアップではありません。RAIDはHDD故障への備えであり、誤削除、ランサムウェア、NAS本体故障、災害、ファイル破損には単独で対応できません。NASを安全に運用するには、用途に合ったRAID構成、NAS向けHDD、バックアップ、UPS、そしてNAS本体の処理性能を総合的に考えることが重要です。

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