UGREEN NASが遅い・重い原因と対処法
NASのパフォーマンスが低下したとき、原因は1つではありません。ネットワーク機器の問題、NAS内部のリソース不足、HDDの劣化、リモートアクセスの接続経路など、複数の要因が重なっていることもあります。「NASが遅い」という症状は同じでも、LANケーブルの規格が原因なのか、Dockerコンテナがメモリを使い切っているのか、HDDが故障し始めているのかで、対処法がまったく異なります。
知見:
- UGREEN NASが遅い場合、まずNAS本体ではなく、Wi-Fi接続、LANケーブル、スイッチ、ルーターなどネットワーク経路のボトルネックを確認する必要があります。
- NAS全体が重いときは、CPU・メモリ不足、Dockerコンテナ、写真のAIインデックス作成、動画トランスコードなど、内部リソースの消費が原因になっている場合があります。
- HDDの劣化や異音、S.M.A.R.T.警告は、速度低下だけでなくデータ損失の前兆になるため、早めにバックアップ確認とHDD交換を行うことが重要です。
- 外出先からのアクセスが遅い場合は、LAN内の問題ではなく、UGREENlinkのリレー接続、自宅回線の上り速度、TailscaleやDDNSなど接続方式の違いを切り分ける必要があります。
- 10GbE環境で高速化するには、NASだけでなくLANケーブル、スイッチ、PC側NIC、HDD/SSD構成まで全体をそろえる必要があります。
ファイル転送が遅い場合の原因と対処法
ファイル転送速度が遅いと感じたとき、最初に疑うべきはNAS本体ではなく、NASとデバイスの間のネットワーク経路です。NASがどれだけ高性能でも、経路のどこか1箇所が遅ければ、そこがボトルネックになって全体の速度が制限されます。
Wi-Fi経由で使っていないか(まず最初に確認)
意外と多いのが、NASにはLANケーブルで接続しているものの、操作しているPCやMacがWi-Fi接続になっているケースです。
UGREEN NAS自体はWi-Fiに対応しておらず、必ず有線でルーターに接続します。しかし、アクセスする側のデバイス(ノートPCやMacBook)がWi-Fi接続だと、その区間がボトルネックになります。一般的な家庭のWi-Fi環境では、実効速度が有線接続を大きく下回ることが多く、特に大容量ファイルの転送で差が顕著に出ます。

対処法:
大容量ファイルを頻繁に転送する場合は、アクセスする側のデバイスも有線LANで接続してください。ノートPCにLANポートがない場合は、USB-CまたはThunderbolt接続のEthernetアダプタを使うと改善します。Wi-Fiしか使えない環境であれば、5GHz帯(または6GHz帯)に接続し、ルーターとの距離を縮めることで多少改善します。DXP6800 ProのようにThunderbolt 4接続に対応したNASを使う場合は、LAN経由ではなくPCやMacとNASを直接つなぐ方法もあります。具体的な接続方法は、DXP6800 ProのThunderbolt接続手順で確認できます。
LANケーブルとネットワーク機器を確認する
デバイスもNASも有線接続なのに遅い場合は、LANケーブルの規格とネットワーク機器の速度を疑います。
UGREEN NASのモデルによって対応するLAN速度は異なります。
| モデル | LAN速度 | 理論上の最大転送速度 |
|---|---|---|
| DH2300 | 1GbE | 約125MB/s |
| DXP2800 | 2.5GbE | 約312MB/s |
| DXP4800 Plus | 2.5GbE+10GbE | 10GbE時 約1,250MB/s |
| DXP6800 Pro | デュアル10GbE | 約2500MB/s |
ここで重要なのは、経路上のすべての機器が同じ速度に対応していないと、最も遅い機器の速度に引きずられるという点です。たとえばDXP4800 Plusの10GbEポートを使っていても、間に挟まるスイッチが1GbE対応だと、転送速度は1GbE(約125MB/s)に制限されます。
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確認すべき項目:
LANケーブルの規格を確認してください。1GbEなら問題ありませんが、2.5GbE以上の速度を出すにはCat5e以上、10GbEではCat6a以上のケーブルが必要です。古いCat5ケーブルを使っていると、それだけで速度が頭打ちになります。ケーブルの側面に「Cat5e」「Cat6」などの表記が印字されているので確認してください。
次に、NASとデバイスの間にあるスイッチやルーターの対応速度を確認します。NASが2.5GbE/10GbE対応でも、ルーターやハブが1GbEまでしか対応していなければ、その速度で頭打ちになります。
対処法:
NASの対応速度に合わせて、ケーブル(Cat6a以上)とネットワーク機器(2.5GbE/10GbE対応スイッチ)を揃えてください。10GbEを活かすにはアクセスする側のPCにも10GbE対応のNIC(ネットワークカード)が必要です。一度に全部揃えられない場合は、まず最も遅い機器を特定して、そこから順に交換するのが効率的です。
UGOS ProのSMB設定を確認する
ネットワーク経路に問題がないのに遅い場合は、SMBプロトコルのバージョン設定を確認します。
SMBは、WindowsやMacからNASにアクセスする際の標準的なファイル共有プロトコルです。古いバージョン(SMB1)は速度が遅く、セキュリティ面でも問題があります。最新のSMB3を使うことで、転送速度と安全性が向上します。
確認手順:
- UGOS Proの管理画面にログインする
- 「コントロールパネル」→「ファイルサービス」→「SMB」を開く
- 「詳細設定」でSMBプロトコルの最大バージョン・最小バージョンを確認する

最大バージョンがSMB3に設定されていることを確認してください。古い機器との互換性のために最小バージョンがSMB1のままになっている場合、接続するデバイスによっては低速なSMB1で接続されることがあります。接続するすべてのデバイスがSMB2以降に対応しているなら、最小バージョンをSMB2以上に設定すると、低速プロトコルへのフォールバックを防げます。
対処法:
SMBのバージョン設定を見直した後も改善しない場合は、一度SMBサービスを再起動するか、NAS自体を再起動して接続をリフレッシュしてください。また、大量の小さなファイル(数千個の写真など)を一度に転送すると、ファイル1個ごとの処理オーバーヘッドで遅く感じることがあります。この場合は、フォルダごとZIPにまとめてから転送すると速くなります。
NAS全体の動作が重い場合の原因と対処法
ファイル転送だけでなく、管理画面の反応が鈍い、アプリの起動が遅い、写真のサムネイル表示に時間がかかる、といった「NAS全体が重い」症状は、NAS内部のリソース(CPU・メモリ)が不足しているサインです。
まずは原因を特定するために、UGOS Proのリソースモニターで現状を確認します。
実行中のアプリ・Dockerコンテナのリソース消費を確認する
NASが重くなる最も一般的な原因は、バックグラウンドで動いているアプリやDockerコンテナがリソースを消費していることです。
UGOS Proの管理画面で「タスクマネージャー」を開くと、CPU使用率、メモリ使用率、そして何がリソースを消費しているかをプロセスごとに確認できます。以下のようなケースで、CPU・メモリが急上昇します。

写真のAIインデックス作成中。
大量の写真をNASに転送した直後は、AI写真整理機能が顔認識や被写体分類のインデックスを作成するため、しばらくの間CPU使用率が高い状態が続きます。これは初回の処理が終われば収まるため、写真の取り込み直後であれば、インデックス作成の完了を待つのが対処法です。
Plexなどのトランスコード処理中。
PlexやJellyfinで動画をリアルタイム変換(トランスコード)して配信している間は、CPU負荷が大きく上がります。特にDHシリーズ(ARM系プロセッサ)はハードウェアトランスコードに対応していないため、トランスコードが発生すると動作が重くなります。
複数のDockerコンテナの同時稼働。
Dockerで複数のコンテナを動かしていると、それぞれがメモリとCPUを消費します。使っていないコンテナが起動したままになっていないか確認してください。Dockerの導入方法やコンテナの基本構成を確認したい場合は、NASでDockerを使う方法を参考にすると、不要なコンテナやポート設定を見直す際の前提を整理できます。
対処法:
リソースモニターで消費の大きいプロセスを特定し、不要なものは停止します。常時使わないDockerコンテナは自動起動をオフにしてください。Plexのトランスコードが頻繁に発生する場合は、再生側のデバイスに合わせた形式で動画を保存しておくと、トランスコード自体を減らせます。
メモリ使用率を確認し、増設を検討する(DXPシリーズ)
リソースモニターでメモリ使用率が常時80%を超えている場合、メモリ不足が動作の重さの原因です。
メモリが不足すると、複数のファイルを同時に転送したときに極端に遅くなる、複数ユーザーが同時アクセスするとパフォーマンスが落ちる、頻繁に使うファイルを開くのに時間がかかる、といった症状が出ます。
DXPシリーズ(DXP2800、DXP2800 GT等)はメモリの増設に対応しています。標準の8GBで足りない場合は、DDR5メモリを増設することで改善します。特に以下の用途ではメモリ増設の効果が大きくなります。
- Dockerコンテナを5個以上同時に稼働させている
- 仮想マシン(Revir)を常時運用している
- 大量の写真(10万枚以上)のAI分類を行っている
一方、DHシリーズ(DH2300、DH4300 Plus)はメモリが固定で増設できません。DHシリーズでメモリ不足が頻発する場合は、同時に動かすアプリやコンテナの数を減らすか、上位のDXPシリーズへの移行を検討することになります。
対処法:
DXPシリーズであれば、メモリ使用率が常時高い場合に増設を検討してください。増設前に、不要なアプリ・コンテナの停止でメモリ使用率が下がらないかを先に確認すると、無駄な出費を避けられます。
SSDキャッシュを追加してランダムアクセスを高速化する(DXPシリーズ)
「大きなファイルの転送は速いのに、小さなファイルへのアクセスや管理画面の操作がもたつく」という場合は、ランダムアクセス性能が原因の可能性があります。
HDDは大容量ファイルの連続読み書き(シーケンシャルアクセス)は得意ですが、小さなファイルへの断続的なアクセス(ランダムアクセス)は苦手です。写真のサムネイル表示、データベースを使うアプリ、頻繁に読み書きされる設定ファイルなどは、ランダムアクセスが多く発生します。
DXPシリーズにはM.2 NVMe SSDスロットが搭載されており、SSDキャッシュを追加することで、頻繁にアクセスするデータをSSDに保持し、ランダムアクセス性能を大幅に改善できます。
対処法:
DXPシリーズでM.2スロットが空いている場合は、SSDキャッシュの追加を検討してください。SSDキャッシュの効果や推奨モデル、設定方法については NAS SSDキャッシュの導入効果と推奨モデル で詳しく解説しています。なお、DHシリーズにはM.2スロットがないため、SSDキャッシュは利用できません。
UGOS Proのアップデートを確認する
ここまでの確認で原因が特定できない場合は、UGOS Proのバージョンを確認してください。古いバージョンのまま使い続けていると、すでに修正済みのパフォーマンス問題やメモリリークが影響している可能性があります。
UGOS Proのアップデートには、パフォーマンスの最適化やバグ修正が含まれることがあります。「コントロールパネル」→「アップデートと復元」→「システムアップデート」から、未適用のアップデートがないか確認してください。
対処法:
アップデートを適用する前に、重要なデータのバックアップが直近で成功しているか、ストレージに警告が出ていないかを確認してください。アップデート中はNASの電源を切らないでください。アップデートの確認方法と注意点についてはNAS定期メンテナンスチェックリストでも解説しています。
HDDの異常・故障の兆候と対処法
ネットワークもリソースも問題ないのにNASが遅い、あるいは特定のファイルへのアクセスだけが極端に遅い、エラーが出る。こうした症状は、HDDが故障し始めているサインかもしれません。
HDDの故障は、ある日突然完全に動かなくなるとは限りません。多くの場合、完全な故障の前に「読み書きエラーが増える」「特定のセクターへのアクセスに時間がかかる」といった前兆が現れ、これがパフォーマンス低下として体感されます。NASが原因不明に遅いとき、HDDの健康状態を確認することで、故障による問題なのかを切り分けられます。
S.M.A.R.T.情報で異常を確認する方法
パフォーマンス低下の原因としてHDDを疑うときは、S.M.A.R.T.情報の中でもエラー系の項目を重点的に確認します。定期チェックでは全体の傾向を見ますが、トラブル診断では「すでに異常が出ている項目がないか」をピンポイントで探します。
確認手順:
- UGOS Proの管理画面で「ストレージマネージャー」を開く
- 「ハードディスク管理」から、調子の悪いと思われるHDDを選択する
- 「…」→「詳細情報」→「S.M.A.R.T.情報」を開く
S.M.A.R.T.テストを実行する。
数値に明確な異常が見られなくても症状が続く場合は、手動でS.M.A.R.T.テストを実行します。短時間で終わる「迅速な診断」をまず実行し、それで異常が出なければ、ディスク全面を検査する「完全な診断」を実行してください。完全な診断はHDDの容量によっては数時間かかります。
異音がする場合の対応
NASから通常とは異なる音が聞こえる場合は、S.M.A.R.T.の数値以上に深刻なサインです。
正常なHDDも回転音やアクセス音は出しますが、以下のような音は物理的な故障の兆候です。
- カチカチ、カチンカチンという規則的なクリック音(ヘッドの異常動作)
- カリカリ、ガリガリという引っかくような音
- 「キーン」という高い金属音
- これまで聞こえなかった大きな振動音
これらの異音は、HDDの読み書きヘッドやモーターなど、物理的な部品が故障し始めているサインです。S.M.A.R.T.にまだ異常が出ていなくても、異音がする場合は故障が近いと考えてください。
対処法:
異音を確認したら、まずバックアップが最新の状態であることを確認してください。バックアップが正常であれば、HDDが完全に故障してもデータは復元できます。その上で、できるだけ早く交換用HDDを手配してください。異音がするHDDを使い続けると、ある日突然完全に故障し、データへのアクセスが失われるリスクがあります。
どのHDDから異音がしているか特定しにくい場合は、ストレージマネージャーで各HDDのS.M.A.R.T.情報を確認し、エラーが出ているHDDと照合してください。
HDDの交換手順
S.M.A.R.T.に異常が出ている、または異音がするHDDは、完全に故障する前に交換します。
交換前の確認:
交換作業に入る前に、必ずバックアップが直近で成功していることを確認してください。RAID構成(RAID 1、RAID 5等)であればHDD 1台の交換中もデータは保持されますが、交換後のリビルド(再構築)中に別のHDDが故障すると、データを失う可能性があります。リビルドは大容量HDDで数十時間かかることもあり、その間のリスクに備えてバックアップは必須です。
交換手順:
RAID構成のホットスワップ対応モデルでは、NASを停止せずにHDDを交換できます。
- ストレージマネージャーで、交換対象のHDDを特定する
- 故障したHDDをトレイごと取り外す(取り外し手順はモデルによって異なるため、初期設定マニュアルを参照)
- 新しいHDDをトレイに取り付け、ベイに戻す
- UGOS Proが新しいHDDを検出し、RAIDのリビルドが自動的に開始される
- リビルドが完了するまで待つ(完了するまでNASの電源を切らない)
交換用HDDは、既存のHDDと同じ容量以上で、UGREEN NASと互換性のあるモデルを選んでください。対応HDDは製品互換性リストで確認できます。NAS用HDDの選び方についてはNAS用HDDの選び方完全ガイドを参考にしてください。
RAIDを組んでいない場合(Basic構成):
冗長性がないため、HDDが故障するとそのHDD上のデータは失われます。バックアップから復元するしかありません。これを機に、次回のHDD構成ではRAID 1以上の冗長性を持たせることを検討してください。
リモートアクセスが遅い・不安定な場合の対処法
自宅のLAN内では快適に使えるのに、外出先からのアクセスだけが遅い・途切れるという場合は、これまでのセクションとは別の要因を疑う必要があります。リモートアクセスは、自宅のNASと外出先のデバイスをインターネット経由でつなぐため、LAN内の通信とは速度の前提がまったく異なります。
UGREENlinkのリレー接続の仕組みと速度制限
UGREEN NASの標準リモートアクセス機能「UGREENlink」は、ルーターのポート開放やDDNS設定なしで、外出先からNASにアクセスできる便利な機能です。CGNAT環境やv6プラスなど、従来はリモートアクセスの設定が難しかった回線でも利用できます。
ただし、UGREENlinkが遅く感じる場合、その原因は接続方式にあります。
UGREENlinkはクラウド中継型(リレー型)の接続です。NASと外出先のデバイスが直接つながるのではなく、UGREENのクラウドサーバーが間に入って通信を中継します。
対処法:
4K動画をリモートで見たい場合は、PlexやJellyfin(DXPシリーズのIntelモデル)のトランスコード機能を使い、回線速度に応じて画質を自動調整して配信すると安定します。また、自宅回線の上り速度を確認し、極端に遅い場合は回線プランの見直しも選択肢になります。
リモートアクセス方式を変えると改善できるケース
UGREENlinkのリレー接続による速度低下が気になる場合、接続方式そのものを変えることで改善できるケースがあります。リモートアクセスには主に3つの方式があり、それぞれ速度と設定の手軽さが異なります。
Tailscale(VPN型)。
TailscaleはVPNを構築してNASに接続する方式です。多くの場合、デバイス間で直接接続(P2P)が確立されるため、クラウド中継型のUGREENlinkより高速で安定した通信が期待できます。設定もアプリベースで比較的簡単です。ただし、ネットワーク環境によっては直接接続が確立できず、Tailscaleの中継サーバー(DERP)経由になることがあり、その場合は速度が低下します。
DDNS+ポート開放(直接接続型)。
ルーターでポート開放を行い、DDNSでNASに直接アクセスする方式です。中継サーバーを経由しないため最も高速ですが、NASをインターネットに直接公開することになり、セキュリティリスクが高くなります。設定の難易度も高く、CGNAT環境では利用できません。
リモートアクセス方式は、単純に「どれが一番速いか」だけで選ぶべきではありません。手軽さを優先するならUGREENlink、速度と安全性のバランスを取りたい場合はTailscale、直接接続による速度を重視し、セキュリティ対策まで管理できる場合はDDNS+ポート開放が選択肢になります。
対処法:
リモートアクセスの速度に不満がある場合は、Tailscaleへの切り替えを検討してください。各方式の詳しい比較と、安全に運用するための設定についてはNASリモートアクセスのセキュリティ設定で解説しています。なお、DDNS+ポート開放はセキュリティリスクが高いため、十分なセキュリティ対策(MFA、最小権限、ファイアウォール設定など)を理解した上で選択してください。
リモートアクセスが「遅い」ではなく「途切れる」場合
速度ではなく接続が不安定で途切れる場合は、別の原因が考えられます。
自宅のNASがスリープ・省電力モードに入っている。
スケジュール電源オフやHDDスリープの設定によっては、アクセスしようとしたときにNASが応答できない状態になっていることがあります。リモートアクセスを常用する場合は、これらの省電力設定を見直してください。
自宅回線やルーターの不安定。
自宅のインターネット回線が不安定だと、リモートアクセスも当然途切れます。自宅にいる家族に、その時間帯にLAN内でNASが正常に使えるか確認してもらうと、回線側の問題かNAS側の問題かを切り分けられます。
二重ルーター環境。
自宅のネットワークがルーターを2台経由する構成(二重ルーター)になっていると、リモートアクセスの接続確立が不安定になることがあります。
よくある質問(FAQ)
NASが急に遅くなりました。まず何を確認すればいいですか?
「LAN内でも遅いか、外出先からだけ遅いか」をまず切り分けてください。
自宅のLAN内で操作しても遅い場合は、ネットワーク経路(ケーブル・機器の速度、Wi-Fi接続になっていないか)、NAS内部のリソース(CPU・メモリの使用率)、HDDの状態の順に確認します。UGOS Proのリソースモニターを開いて、CPU・メモリ使用率が高騰していないかを見るのが最初のステップです。
外出先からだけ遅い場合は、リモートアクセス(UGREENlink)の中継接続や自宅回線の上り速度が原因です。LAN内の問題とは切り分けて考えてください。
どちらの場合も、原因を1つに絞り込む前に「いつから遅くなったか」「特定の操作だけ遅いのか全体的に遅いのか」を整理すると、原因の特定が早くなります。
写真をたくさん転送した後だけNASが重くなります。故障ですか?
故障ではなく、AI写真整理のインデックス作成が原因の可能性が高いです。
大量の写真をNASに転送した直後は、AI写真整理機能が顔認識や被写体分類のためのインデックスを作成します。この処理中はCPU使用率が高くなり、NAS全体の動作が一時的に重くなります。
これは正常な動作で、インデックス作成が完了すれば収まります。写真の枚数が多いほど処理に時間がかかり、数時間続くこともあります。UGOS Proのリソースモニターで、写真関連のプロセスがCPUを消費しているかを確認してください。急いでいない場合は、就寝前に写真を転送して、処理を夜間に終わらせるのが実用的です。
NASの再起動で問題は解決しますか?
一時的な不具合であれば、再起動で解決することがあります。
メモリリークやプロセスの異常で動作が重くなっている場合、再起動でメモリがクリアされて改善することがあります。原因がはっきりしないときの最初の対処法として試す価値はあります。
再起動は、UGOS Proの管理画面から「再起動」を選択する方法が安全です。電源ケーブルを抜く強制終了は、書き込み中のデータが破損するリスクがあるため避けてください。
ただし、再起動で一時的に改善しても、根本原因(メモリ不足、HDDの劣化、ネットワーク機器の速度不足など)が残っていれば、同じ症状が再発します。再起動で改善した後も、本文で解説した原因の確認を行うことを推奨します。
HDDのS.M.A.R.T.に警告が出ましたが、まだ使えています。すぐ交換すべきですか?
すぐに完全停止しなくても、できるだけ早く交換の準備を始めてください。
S.M.A.R.T.の警告は「今すぐ壊れる」ではなく「故障に向かっている」というサインです。警告が出てから数日で故障することもあれば、数ヶ月使えることもあり、タイミングは予測できません。
まずバックアップが最新であることを確認し、交換用HDDを手配してください。RAID構成であれば1台の故障中もNASは動作しますが、冗長性が失われた状態での運用はリスクが高いため、交換は速やかに行ってください。
ネットワーク機器を10GbEに変えれば必ず速くなりますか?
経路上のすべての機器が10GbEに対応していなければ、速くなりません。
10GbEの速度を出すには、NAS(10GbE対応モデル)、LANケーブル(Cat6a以上)、スイッチ(10GbE対応)、アクセスする側のPC(10GbE対応NIC)のすべてが10GbEに対応している必要があります。どれか1つでも1GbEや2.5GbEの機器が混ざっていると、その最も遅い機器の速度に制限されます。
また、NASに搭載しているHDDの速度も影響します。HDD自体の読み書き速度が10GbEの帯域に届かない場合、ネットワークを10GbEにしてもHDDがボトルネックになります。10GbEの速度を最大限に活かすには、SSD構成またはSSDキャッシュの併用が効果的です。
まとめ
UGREEN NASのパフォーマンス低下は、症状から原因を切り分けることが解決への近道です。「NASが遅い」という同じ症状でも、原因によって対処法はまったく異なります。
パフォーマンスの問題は、原因さえ特定できれば多くは解決できます。このブログを上から順に確認していけば、ボトルネックの所在が見えてくるはずです。
