RAID 0とRAID 1の違い:2ベイNASではどちらを選ぶべき?
RAIDには複数の種類があり、構成によって使える容量、速度、HDD故障時の復旧しやすさが変わります。2ベイNASでよく比較されるのが、RAID 0とRAID 1です。
- RAID 0(ストライピング):データを分散配置し、速度と容量を100%活用。ただし、1台の故障で全データ消失。
- RAID 1(ミラーリング):データを完全複製し、1台故障でも安全。容量は50%に制限され、書き込み速度は低下。
結論から言えば、2ベイNASで重要データを保存するならRAID 1が基本です。RAID 0は、一時データやバックアップ済みデータ向けの構成です。

重要なポイント
- RAID 0(ストライピング):2台以上のHDD/SSDでデータ分散。容量100%利用、高速処理。1台故障で全データ消失。
- RAID 1(ミラーリング):2台のHDD/SSDで完全複製。1台故障でもデータ保護。容量50%、書き込みにオーバーヘッド。
- 2ベイNASで重要データを保存するならRAID 1が基本です。 RAID 0は一時ファイルやバックアップ済みデータ向けです。
- BasicやJBODも選択肢になります。 どちらもRAID 1のような冗長性はありません。
- RAIDはバックアップではありません。 誤削除、ランサムウェア、NAS本体の故障、災害には別媒体へのバックアップが必要です。
RAID 0・RAID 1・Basic・JBODの違い
NASを購入して設定する際、2ベイモデルではRAID 0とRAID 1だけでなく、BasicやJBODも選べる場合があります。
| 構成 | 使える容量 | HDD故障への備え | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| RAID 0 | 2台の合計容量(100%) | なし | 一時データ、バックアップ済みデータ、高速作業領域 |
| RAID 1 | 2台構成時、1台分の容量(50%) | 1台故障に対応しやすい | 写真、動画、仕事用ファイル、PCバックアップ |
| Basic | 各HDDを個別に100%利用 | なし | ディスクごとに用途を分けたい場合 |
| JBOD | 全HDDの合計容量(100%) | なし | 容量をまとめたいが冗長性を重視しない場合 |
2TBのHDDを2台使う場合、RAID 0では約4TB、RAID 1では約2TBを利用できます。容量だけを見るとRAID 0が有利ですが、HDD故障時のリスクは大きくなります。
Basicは、2台のHDDを別々の保存領域として管理する構成です。たとえば、1台目を写真用、2台目を動画用に分けるような使い方に向いています。ただし、HDDが故障すれば、そのHDD内のデータは失われます。
JBODは、複数のHDDをまとめて大きな保存領域として扱う構成です。容量をまとめやすい一方で、RAID 1のような保護機能はありません。重要データの保存には向いていません。
容量を具体的に確認したい場合は、RAID容量計算ツールを使うと便利です。HDDの本数、容量、RAIDレベルを入力するだけで、実際に使える容量を確認できます。UGOS Proシステムでは、システムパーティションに約16GB (約15.3GiB) のハードディスク領域が必要です。

RAID 0とは:容量と速度を重視する構成
RAID 0は、データを複数のHDDに分割して保存する「ストライピング」方式です。
たとえば、2TBのHDDを2台使う場合、RAID 0では合計約4TBを使用できます。データを2台に分散して読み書きするため、単体HDDより高速化しやすい点も特徴です。
RAID 0のメリット
- 2台分の容量をほぼそのまま使える
- 読み書き速度を高めやすい
- 大容量ファイルの一時保存に向いている
- 容量効率が高い
RAID 0は、動画編集の一時作業領域、バックアップ済みデータの保存先、大容量ファイルの高速転送などに向いています。
ただし、NASではHDD側の速度だけでなく、ネットワーク速度も重要です。
| ネットワーク環境 | RAID 0の速度メリット |
|---|---|
| 1GbE環境 | ネットワークが上限になり、RAID 0の速度差を体感しにくい場合がある |
| 2.5GbE環境 | 大容量ファイル転送ではRAID 0の効果を感じやすい |
| PC・ルーター・スイッチが1GbE | NAS側が高速でも、全体の転送速度は1GbE側に制限される |
RAID 0の速度メリットを活かすには、NAS本体だけでなく、ルーター、スイッチ、LANケーブル、PC側のLANポートも確認する必要があります。1GbE環境では、RAID 0よりもネットワーク側が先にボトルネックになる場合があります。

RAID 0のデメリット
RAID 0には冗長性がありません。
2台のHDDにデータを分散して保存するため、1台でもHDDが故障すると、データ全体を読み出せなくなります。これは、壊れたHDDの中のデータだけを失うという意味ではありません。RAID 0では、1つのファイルが複数のHDDに分割されて保存されるため、1台の故障がストレージ全体のデータ損失につながります。
そのため、RAID 0は重要データの保管先には向いていません。使う場合は、必ず別のNAS、外付けHDD、クラウドなどにバックアップを用意してください。
RAID 1とは:HDD故障に備えやすい構成
RAID 1は、同じデータを2台のHDDに保存する「ミラーリング」方式です。
たとえば、2TBのHDDを2台使う場合、RAID 1で実際に使える容量は約2TBです。もう1台分の容量は、同じデータを複製するために使われます。
容量効率はRAID 0より低くなりますが、片方のHDDが故障しても、もう片方のHDDに同じデータが残ります。そのため、2ベイNASで重要データを保存する場合の基本構成になります。
RAID 1のメリット
- 片方のHDDが故障しても運用を継続しやすい
- 復旧手順が比較的シンプル
- 初心者でも理解しやすい
- 家族写真、動画、仕事用ファイルの保存に向いている
RAID 1は、2ベイNASで安全性を重視する場合に最も選びやすい構成です。
RAID 1のデメリット
RAID 1にも弱点があります。
- 使える容量はHDD 1台分になる
- RAID 0ほど高速にはならない
- 同じ容量を確保するにはHDDコストが高くなる
- 2ベイNASでは容量拡張の自由度が限られる
また、2ベイNASでRAID 1を使う場合、容量を増やすには基本的に大容量HDDへの交換が必要です。容量拡張の自由度を重視する場合は、最初から必要容量を見積もっておくことが重要です。

UGREEN 2ベイNASではどの構成を選ぶべき?
UGREENの2ベイNASでは、モデルの用途に合わせてRAID構成を選ぶと判断しやすくなります。
| モデル | RAID選択の目安 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| UGREEN NASync DH2300 | RAID 1を基本推奨 | 写真・動画の保存、スマホバックアップ、家庭用ファイル管理 |
| UGREEN NASync DXP2800 | RAID 1を基本に、用途次第でRAID 0も検討 | 高速転送、M.2 SSD活用、Docker、仮想マシン、複数ユーザー利用 |
DH2300は、家庭での写真・動画保存、スマートフォンのバックアップ、日常的なファイル管理に向いた2ベイNASです。重要データを保存するならRAID 1が基本です。RAID 0やJBODは容量を広く使えますが、HDD故障時のリスクが高いため、バックアップ済みデータや一時データ向けです。
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DXP2800は、2.5GbE LAN、M.2 SSDスロット、メモリ拡張に対応しているため、DH2300より高速転送やアプリ運用に向いています。Dockerや仮想マシンを使う場合も、DXP2800の方が適しています。
ただし、DXP2800でも重要データを保存するなら、基本はRAID 1です。RAID 0を選ぶ場合は、保存データが別の場所にもあることを前提にしてください。
RAID 0は壊れやすい?
RAID 0は、HDDそのものを壊れやすくする構成ではありません。HDDの故障率は、RAID構成よりもHDDの品質、使用時間、温度、振動、電源環境などに左右されます。
問題は、故障したときの影響が非常に大きいことです。
RAID 0では、どれか1台のHDDが故障すると、RAID全体のデータが失われます。2台構成なら、2台のうち1台が故障しただけで全データが使えなくなります。
そのため、RAID 0を使う場合は、信頼性の高いNAS向けHDDを選ぶための基準を押さえるだけでなく、必ずバックアップを用意する必要があります。
RAID 0は「高速で便利な作業領域」として使う構成であり、「大切なデータを長期保存する構成」ではありません。
RAID 1を選べばバックアップは不要?
RAID 1を選んでも、バックアップは必要です。
RAID 1はHDD故障に備える仕組みですが、次のようなトラブルには対応できません。
| トラブル | RAID 1で防げるか |
|---|---|
| ファイルの誤削除 | 防げない |
| ランサムウェア感染 | 防げない |
| ファイル破損 | 防げない |
| NAS本体の故障 | 防げない場合がある |
| 停電や電源トラブル | 防げない場合がある |
| 災害・盗難 | 防げない |
| 同期ミスによる上書き | 防げない |
RAID 1では、片方のHDDに保存された変更がもう片方にも反映されます。つまり、誤って削除したファイルや破損したファイルも、ミラー先に反映される可能性があります。
重要データを保存する場合は、RAID 1に加えて、外付けHDD、別のNAS、クラウド、またはオフサイトバックアップを組み合わせてください。日本でNASを使う場合は、地震や停電も考慮し、NAS本体の安定した設置やUPSの利用も検討すると安心です。
2ベイNASではどの構成を選ぶべき?
2ベイNASでは、保存するデータの重要度で構成を選びます。
RAID 0を選んでよいケース
RAID 0は、次のような用途に向いています。
- 一時的な作業ファイルを保存する
- すでに別の場所にバックアップがあるデータを保存する
- 容量効率を最優先したい
- 2.5GbE環境で大容量ファイルを高速転送したい
- データ消失時に再作成できるファイルを扱う
たとえば、動画編集の一時作業領域や、別の場所に原本があるファイルの一時保管先として使う場合は、RAID 0を選ぶ余地があります。
ただし、家族写真、仕事用ファイル、唯一のバックアップデータなどをRAID 0だけに保存するのは避けてください。
RAID 1を選ぶべきケース
RAID 1は、次のような用途に向いています。
- 家族写真や動画を保存する
- 仕事用ファイルを保存する
- PCやスマートフォンのバックアップ先にする
- HDD故障時の復旧しやすさを重視する
- 初心者でも管理しやすい構成を選びたい
- 2ベイNASで重要データを保存する
2ベイNASで迷った場合、重要データを扱うならRAID 1を選ぶのが基本です。使える容量は半分になりますが、HDD故障時のリスクを抑えやすくなります。
BasicやJBODを選んでよいケース
BasicやJBODは、RAID 1のような冗長性を必要としない場合の選択肢です。
Basicは、HDDを個別に管理したい場合に向いています。たとえば、1台目を写真用、2台目を動画用に分けたい場合です。
JBODは、複数のHDDをまとめて大きな容量として使いたい場合に向いています。ただし、HDD故障時の保護はありません。
重要データを保存するなら、BasicやJBODを選ぶ場合でも、必ず別媒体へのバックアップを用意してください。
3ベイ以上なら別のRAID構成も候補
2ベイNASでは、基本的にRAID 0、RAID 1、Basic、JBODが主な選択肢です。
3ベイ以上ではRAID 5、4ベイ以上ではRAID 10も選択肢になります。ただし、RAID 5やRAID 10は必要なHDD本数も判断基準も異なります。
4ベイNASを検討している場合は、RAID 5・6・10の違いを確認しておくと、容量、安全性、速度のバランスをより細かく設計できます。
後からRAID構成を変更できますか?
UGREEN NAS における RAID 構成変更の仕様
UGREEN NAS では、一部の RAID レベル間での変更が可能ですが、すべての組み合わせをサポートしているわけではありません。
変更可否は、以下の要件を満たす場合に限られます:
✅ サポートされる変更経路
| 現在の RAID | 変更先 RAID | 必要追加HDD数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Basic | RAID 1 | 1台 | 2台構成へ移行 |
| Basic | RAID 5 | 2台 | 3台以上構成へ移行 |
| RAID 1 | RAID 5 | 1台 | 3台構成へ拡張 |
⚠️ 重要制限
- JBOD と RAID 0 は、オンラインでの変更を一切サポートしていません。
→ RAID レベルを変更する場合は、全データを事前にバックアップし、ストレージプールを削除・再作成必要があります。- RAID 構成の変更は上位レベルへの拡張(例:Basic → RAID 1 → RAID 5)のみ可能で、下位レベルへの縮小(例:RAID 5 → RAID 1)は不可です。
- 変更中はデータが利用できない状態となり、所要時間は容量・HDD数・ネットワーク環境により数分~数時間かかります。
具体的な対応パスと手順は、RAIDレベル変更 詳細ステップガイドを確認してください。
RAID選びでよくある疑問
RAID 0とRAID 1はどちらがおすすめですか?
2ベイNASで重要データを保存するならRAID 1がおすすめです。RAID 0は容量効率と速度に優れますが、1台のHDD故障で全データを失います。RAID 0は一時データやバックアップ済みデータ向けです。
RAID 0で1台のHDDが故障したらどうなりますか?
RAID 0では、1台のHDDが故障すると基本的にRAID全体のデータを読み出せなくなります。専門のデータ復旧サービスに依頼する方法はありますが、復旧は保証されず、費用も高額になる場合があります。
RAID 1ならHDDが壊れても安全ですか?
RAID 1は片方のHDD故障に備えやすい構成ですが、完全に安全という意味ではありません。誤削除、ファイル破損、ランサムウェア、NAS本体の故障、災害には対応できません。重要データは別媒体にもバックアップしてください。
BasicとJBODはRAID 0やRAID 1と何が違いますか?
Basicは、HDDを個別の保存領域として使う構成です。JBODは、複数のHDDをまとめて大きな保存領域として使う構成です。どちらもRAID 1のような冗長性はありません。
RAID 0は容量と速度を重視する構成、RAID 1はHDD故障への備えを重視する構成です。重要データを保存するなら、BasicやJBODではなくRAID 1を基本に考えてください。
2ベイNASでRAID 5やRAID 10は使えますか?
使えません。RAID 5には最低3台、RAID 10には最低4台のHDDが必要です。2ベイNASでは、基本的にRAID 0、RAID 1、Basic、JBODなどが選択肢になります。
まとめ
RAID 0とRAID 1は、2ベイNASでよく使われる基本的なRAID構成です。容量と速度ならRAID 0、重要データならRAID 1
BasicやJBODは、HDDを個別に使いたい場合や容量をまとめたい場合の選択肢です。ただし、HDD故障への備えはありません。重要データを扱うなら、RAID 1とバックアップを組み合わせるべきです。
どの構成を選んでも、RAIDはバックアップではありません。大切なデータを守るには、RAID構成に加えて、外付けHDD、別NAS、クラウド、オフサイトバックアップなどを組み合わせる必要があります。
