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NASの容量は何TB必要?用途別目安とRAID実効容量

NASの容量は何TB必要?用途別目安とRAID実効容量

18/08/2025

NASの容量を選ぶとき、最初に考えるべきなのは「HDDを何TB買うか」ではなく、「RAID構成後に実際に何TB使えるか」です。

たとえば、4TBのHDDを2台入れても、RAID 1で構成すると使える容量の目安は約4TBです。4TB×4台でも、RAID 5なら約12TB、RAID 6なら約8TBが実効容量の目安になります。

この記事では、用途別のNAS容量目安、RAID別の実効容量、2ベイ・4ベイ・6ベイでの考え方。

RAID

キーポイント

  • NAS容量は、HDDの合計容量ではなく、RAID構成後の実効容量で考えます。
  • 写真や書類中心なら実効容量2〜4TB家族写真動画やPCバックアップなら4〜8TB4K動画やRAW写真なら8〜16TB以上が目安です。
  • HDDメーカーのラベル容量とNAS上の表示容量には差があり、4TBのHDDが約3.6TiB前後に見えることがあります。
  • RAID 1ではHDD1台分、RAID 5では1台分、RAID 6では2台分が冗長性に使われます。
  • 大容量HDDでRAID 5を使う場合は、リビルド時間と2台目故障・読み取りエラーのリスクも考慮します。
  • RAIDはバックアップではありません。重要データは別の保存先にもバックアップしてください。

NAS容量はHDD合計容量だけでは決まらない

NASの容量を考えるとき、最初に注意したいのは「HDDの合計容量」と「実際に使える容量」は違うという点です。

NASやPC上ではHDDメーカー表記よりも容量が小さく表示されます。これは単位の数え方が違うためです。

NAS容量を設計するときは、次の3段階で考えます。

段階 意味
HDDラベル容量 HDDメーカーが表記する容量 4TB、8TB、12TBなど
NAS上の表示容量 NASやOSが表示する容量 /
RAID後の実効容量 実際に保存領域として使える容量の目安 RAID 1、RAID 5、RAID 6で変わる

構成ごとの容量をすぐに確認したい場合は、RAID容量計算ツールを使ってください。HDD本数、HDD容量、RAIDレベルを入力すると、RAID 1、RAID 5、RAID 6などの実効容量を事前に試算できます。

RAID容量計算

用途別:NAS容量の目安

NAS容量の目安は、保存するデータの種類と、今後どれくらい増えるかで変わります。現在のデータ量だけで判断すると、数年後に容量不足になりやすくなります。

用途 データ例 目安の実効容量
書類・写真中心 文書、PDF、スマホ写真 2〜4TB
家族写真・動画 スマホ写真、短い動画、PCバックアップ 4〜8TB
4K動画・RAW写真 カメラ動画、RAW写真、編集素材 8〜16TB以上
小規模オフィス 共有フォルダ、業務ファイル、バックアップ 8TB以上
メディア管理 動画ライブラリ、Plex、Jellyfin用データ 8〜20TB以上

ここでいう容量は、HDD単体の容量ではなく、RAID構成後に使える実効容量です。たとえば、実効容量として8TB必要な場合、RAID 1なら8TB HDDを2台、RAID 5なら4TB HDDを3台以上、またはより大容量のHDD構成を検討します。

容量は現在量+将来の増加量で考える

必要容量は、次の式で見積もると分かりやすくなります。

必要容量 = 現在のデータ量 + 年間の増加量 × 保存したい年数

たとえば、現在のデータが1TBで、毎年300GBずつ増える場合、3年後に必要な容量は次の通りです。

1TB + 0.3TB × 3年 = 1.9TB

バックアップ、スナップショット、同期、アプリ、メタデータ処理に余裕を持たせるため、実効容量の8割以内で運用できる構成を目安にします。

上記の例では、1.9TBを保存するなら、実効容量2TBぎりぎりではなく、3TB以上の実効容量を目標にすると運用しやすくなります。

ラベル容量・表示容量・実効容量の違い

HDDのラベルに書かれている容量は、メーカーが10進法で計算した数値です。たとえば、1TBは1,000,000,000,000バイトとして表記されます。

一方、NASやPCのOSでは、2進法ベースに近い単位で容量を表示するため、HDDメーカー表記よりも小さく見えます。4TBのHDDがNAS上で約3.6TiB前後に見えることがあるのは、この単位の違いによるものです。

これはHDDの故障ではありません。

HDDラベル容量 NASやPC上で見える容量の目安
1TB 約0.9TiB前後
2TB 約1.8TiB前後
4TB 約3.6TiB前後
8TB 約7.2TiB前後
12TB 約10.9TiB前後
16TB 約14.5TiB前後

さらに、RAID構成、ファイルシステム、システム領域、スナップショット設定などによって、ユーザーが実際に保存に使える容量は変わります。UGOS Proシステムでは、システムパーティションに約16GB (約15.3GiB) のハードディスク領域が必要です。

そのため、NAS容量を見るときは、次の順番で確認します。

  1. HDDラベル容量
  2. NAS上の表示容量
  3. RAID後の実効容量
  4. 実際に安全に使える運用容量

実際の購入判断では、4番目の「安全に使える運用容量」を基準にしてください。

RAID別の実効容量早見表

RAID構成によって、HDDの合計容量と実際に使える容量は変わります。

次の表は、分かりやすくするためにHDDメーカー表記ベースで概算したものです。NAS上の表示容量は、これより小さく見える場合があります。

RAID HDD構成例 HDD合計容量 実効容量の目安 故障耐性 向いている用途
RAID 0 4TB×2台 8TB 約8TB なし 速度・容量重視。重要データには不向き
RAID 1 4TB×2台 8TB 約4TB 1台故障まで 2ベイNAS、家庭用バックアップ先
RAID 5 4TB×3台 12TB 約8TB 1台故障まで 3ベイ以上、容量効率と冗長性のバランス
RAID 5 4TB×4台 16TB 約12TB 1台故障まで 4ベイNAS、家庭・小規模オフィス
RAID 6 4TB×4台 16TB 約8TB 2台故障まで 4ベイ以上、冗長性重視
RAID 10 4TB×4台 16TB 約8TB 同一ミラーペアでなければ最大2台故障まで 性能と冗長性のバランス

RAID 0は容量効率が高い構成ですが、1台でもHDDが故障するとデータを失う可能性があります。重要データの保存には向きません。

RAID 1は2ベイNASで選びやすい構成です。同じデータを2台に保存するため、1台が故障しても運用を継続しやすくなります。ただし、RAID 1はバックアップではありません。誤削除やファイル破損に備えるには、別の保存先へのバックアップが必要です。

RAID 5は容量効率と冗長性のバランスを取りやすい構成です。3台以上のHDDが必要で、1台故障まで耐えられます。RAID 6は2台故障まで想定できますが、その分、実効容量は小さくなります。

RAID 10はミラーとストライピングを組み合わせる構成です。4台構成では実効容量は合計容量の約半分になります。異なるミラーペアであれば複数台故障に耐えられる場合がありますが、同じミラーペアの2台が故障するとデータを失う可能性があります。

RAIDの仕組みや冗長性を詳しく確認したい場合は、RAIDとは何かを解説した初心者向けガイドを参考にしてください。

大容量HDDではRAID 5のリビルドリスクも考える

RAID 5は容量効率と冗長性のバランスを取りやすい構成ですが、大容量HDDを使うほどリビルド時間が長くなります。リビルド中は残りのHDDを大量に読み出すため、別のHDDの劣化や読み取りエラーが表面化するリスクがあります。

そのため、8TB、12TB、16TB以上のHDDを複数台使う場合や、重要データを長期保存する場合は、RAID 5だけでなくRAID 6やRAID 10も比較してください。

RAID 6は実効容量が減る一方で、2台故障まで想定できます。RAID 10は実効容量が約半分になりますが、構成によってはリビルド負荷を抑えやすく、読み書き性能を重視する用途にも向きます。

どのRAIDを選んでも、RAIDはバックアップではありません。重要データは、外付けHDD、別NAS、クラウドなど別の保存先にも退避してください。

2ベイ・4ベイ・6ベイで容量設計はどう変わるか

NASの容量設計では、ベイ数が大きく影響します。ベイ数とは、HDDやSSDを搭載できるスロット数のことです。

同じ4TB HDDを使っても、2ベイ、4ベイ、6ベイでは選べるRAID構成と実効容量が変わります。

ベイ数 構成例 実効容量の考え方 向いている用途
2ベイ 4TB×2台 RAID 1 約4TB 家庭用、写真保存、PCバックアップ
4ベイ 4TB×4台 RAID 5 約12TB 家族共有、小規模オフィス、動画保存
4ベイ 4TB×4台 RAID 6 約8TB 冗長性重視
6ベイ 4TB×6台 RAID 5 約20TB 大容量保存、複数人利用
6ベイ 4TB×6台 RAID 6 約16TB 大容量かつ冗長性重視

容量の違うHDDを混在させるとどうなるか

NASでは、容量の違うHDDを混在できる場合があります。

ただし、RAID構成では最小容量のHDDに合わせて計算されることが多いため、大容量HDDを入れても一部容量を使えない場合があります。

HDD構成例 RAID構成 実効容量の考え方
4TB+8TB RAID 1 4TB側に合わせられ、実効容量は約4TB
4TB+4TB+8TB RAID 5 4TB×3台相当で計算される
4TB+8TB+8TB+8TB RAID 5 最小の4TBに合わせられるため、8TBの一部を活用できない
8TB+8TB+8TB+8TB RAID 5 同容量のため容量効率を見積もりやすい

容量の違うHDDを混在させると、使えない容量が発生しやすくなります。

安定性と管理のしやすさを考えると、RAID構成では同容量・同等仕様のHDDでそろえる方が分かりやすくなります。

HDDを選ぶ段階では、容量だけでなく、NAS向けHDD、CMR方式、互換性も確認してください。HDD選びの基準は、NAS用HDDの選び方で詳しく整理しています。

容量が足りなくなったときの選択肢

NASの容量が足りなくなった場合は、現在のベイ数、RAID構成、空きベイの有無によって対応が変わります。

方法 向いているケース 注意点
空きベイにHDDを追加 NASに空きベイがある 新規ストレージプール、既存プール拡張、ホットスペアで目的が異なる
大容量HDDへ交換 空きベイがない、または既存RAIDの容量を増やしたい RAID構成によっては1台ずつ交換し、修復後に拡張が必要
RAID構成を変更 容量効率や冗長性を見直したい 対応条件、バックアップ、再構築時間を確認する
不要データを整理 一時的に空き容量を作りたい 根本的な容量不足の解決にはならない
外部保存先へ退避 アーカイブデータが多い 頻繁に使うデータと長期保存データを分ける

HDDの追加、容量アップのための交換、ホットスペアの設定、RAID修復の具体的な手順は、NASのHDD交換・増設方法で確認してください。

よくある質問

NASの容量はどれくらい必要ですか?

写真や書類中心なら実効容量2〜4TB、家族写真・動画やPCバックアップなら4〜8TB、4K動画やRAW写真なら8〜16TB以上が目安です。現在のデータ量に年間増加量×保存したい年数を足し、実効容量の8割以内で収まる構成を選びます。

4TBのHDDを入れたのに3.6TB前後に見えるのはなぜですか?

HDDメーカーのTB表記と、NASやPCのTiB表示で容量の数え方が違うためです。故障ではありません。RAIDやファイルシステム領域によって、実際に保存できる容量はさらに変わります。

RAID 1では容量は半分になりますか?

同じ容量のHDDを2台使うRAID 1では、実効容量はHDD1台分になります。たとえば4TB×2台なら、実効容量の目安は約4TBです。

RAID 5の実効容量はどう計算しますか?

同容量HDDの場合、RAID 5の実効容量は「HDD容量×(HDD本数−1)」が目安です。4TB×4台なら約12TBです。正確に試算したい場合は、RAID容量計算ツールを使ってください。

容量の違うHDDを混在させるとどうなりますか?

RAID構成では、最小容量のHDDに合わせて計算される場合があります。大容量HDDを入れても、その容量をすべて使えるとは限りません。

大容量HDDでRAID 5を使っても大丈夫ですか?

使えますが、リビルド時間とリビルド中の読み取りエラー、2台目故障リスクを考える必要があります。重要データや大容量構成では、RAID 6やRAID 10も比較してください。

NASの容量が足りなくなったらどうすればよいですか?

空きベイがある場合はHDD追加や既存プール拡張、空きベイがない場合は大容量HDDへの交換を検討します。具体的な手順は、HDD交換・増設の記事で確認してください。

RAIDがあればバックアップ容量は不要ですか?

不要ではありません。RAIDはHDD故障時の可用性を高める仕組みで、バックアップではありません。誤削除、ランサムウェア、NAS本体故障、災害に備えるには別の保存先が必要です。

まとめ

NASの容量は、HDDの合計容量だけでは判断できません。HDDラベル容量、NAS上の表示容量、RAID後の実効容量、ベイ数、将来のデータ増加を合わせて考える必要があります。

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