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NAS容量の選び方ガイド:実効容量とRAID別の最適設計【2025年12月更新】

NAS容量の選び方ガイド:実効容量とRAID別の最適設計【2025年12月更新】

18/08/2025

前回お伝えしたNASの選定ポイントを理解いただいた後は、次にNASのストレージハードウェア、特にハードディスク容量の設定についてご検討いただく段階となります。多くのユーザー様が、適切な容量の決め方に悩まれるようです。容量が大きすぎると予算の無駄になり、小さすぎるとあっという間に空き容量がなくなってしまうからです。適切な容量の選定は、単純に必要な数値を足し合わせるだけでは導き出せない、じっくりと考えるべき課題と言えるでしょう。

知見:

  • HDDラベルに記載された容量は10進法ベースの「理論値」であり、OSやNASは2進法ベースで容量を表示するため、4TBが約3.6TBと見えるなどの差が生じます。
  • 容量設計では、現在のデータ量に「年間の増加量×年数」を足し合わせたうえで、実効容量の8割以内で運用することを前提にすると、余裕のある構成を見積もれます。
  • RAID 0/1/5/6では、同じHDD本数でも「実効容量」と「冗長性(守りの強さ)」のバランスが変わるため、用途に合わせてRAIDレベルを選ぶことが重要です。
  • ベイ数とRAID構成、そして異なる容量HDDを混在させた場合の制約(最小容量に合わせられる)を理解し、RAID計算ツールで事前にシミュレーションすると、後悔の少ないNASストレージ設計ができます。}

表示容量と実効容量の違いを把握しよう

HDDのラベルに書かれている容量は、あくまで理論上の数値にすぎません。NASでRAIDを組んだ場合、実際に使える容量はそこからさらに差し引かれます。RAIDとは何か?をあらかじめ理解しておくと、構成ごとの容量の違いや、実効容量が減る理由も納得しやすくなります。

RAID構成の容量説明

なぜラベル容量と表示容量が違うのか

HDDのラベルに書かれている容量は、メーカーが「1TB=1,000,000,000,000バイト」とする10進法のルールで計算した理論値です。一方で、NASやPCのOSは内部的に「1TB(厳密には1TiB)=1,099,511,627,776バイト」という2進法に近い数え方で容量を表示します。

この“数え方の違い”があるため、4TBのHDDをNASに入れても、実際の表示は約3.6TB前後になります。故障しているわけではなく、単にメーカーとOSで使っている単位の基準が違うだけです。

ここにファイルシステムのフォーマット領域や、RAIDによる冗長化のための領域が加わることで、ユーザーがデータ保存に使える「実効容量」はさらに小さくなります。以降は、この実効容量を前提にして、どれくらいのHDD容量を用意すべきかを考えていきましょう。

データ量の計算方法

自分のデータ量を把握しましょう。現在のデータ(例:写真、動画、書類)と今後2~3年の増加分を予測します。以下は目安です:

  • 写真:10万枚(1枚10MB)で約1TB。
  • 動画:4K動画1時間(10GB)で100時間なら1TB。
  • 書類:10万ファイル(1MB)で約100GB。

たとえば、家族の写真5万枚(500GB)と動画50時間(500GB)を保存し、毎年200GB増える場合、3年後には約1.6TB必要です。余裕を持たせるため、2TB以上を考えると安心です

必要容量は、いまのデータ量に「年間の増加量×何年分」を足し合わせると、シンプルに見積もれます。たとえば現在のデータが1TBで、毎年300GBずつ増えていくなら、3年後に必要な容量はおおよそ 1TB+0.3TB×3=1.9TB です。

さらに、NASは使用率8割以内で運用したほうが性能も安定し、トラブルも起きにくくなります。この例では、実効容量ベースで3TBクラス以上を目標にRAID構成やHDD本数を検討すると、余裕を持った設計になります。

RAID構成と実効容量

RAIDはデータの安全性を高めますが、表示容量(HDDの合計容量)と実効容量(実際に使える容量)が異なります。

RAID構成 HDD構成例 表示容量 実効容量 特徴
RAID 0 4TB×2台 8TB 8TB 高速だが故障で全データ消失
RAID 1 4TB×2台 8TB 4TB 1台故障でもデータ保護
RAID 5 4TB×3台 12TB 8TB 1台故障対応、容量効率良い
RAID 6 4TB×4台 16TB 8TB 2台故障対応、信頼性高い

同じ実効容量でも、RAIDレベルによって「守りの強さ」と「容量効率」のバランスは変わります。写真や書類など、絶対に失いたくないデータが中心ならRAID 1やRAID 6など冗長性を重視した構成を、容量効率を高めつつ1台故障への備えも欲しい場合はRAID 5を検討するとよいでしょう。

各RAIDの冗長性やリスクの違いをもう少し詳しく知りたい場合は、RAID構成ごとの冗長性と容量バランスもあわせて参考にしてみてください。

拡張性とBay数を考慮した組み合わせ

NASのHDD容量を決める際、ベイ数(HDDを搭載できるスロットの数)と拡張性の計画が大きな役割を果たします。空きベイがあれば後でHDDを追加できますが、ベイ数が少ない場合は最初から余裕のある容量を選ぶ必要があります。

2ベイNAS:余裕を持った容量を選ぶ

Bayが2つしかないモデルでは、HDD2台でのRAID 1構成が現実的な選択肢になります。この場合、片方が完全なバックアップとして動くため、使える容量は1台分に限られます。足りなくなったときは、大容量のHDDに交換するしかありません。

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4ベイ以上:RAID 5でバランスと拡張性を

4Bayモデルになると、構成の自由度が高まります。たとえば、4TBのHDDを4台使ってRAID 5を組めば、12TB前後の実効容量が得られます。1台が故障してもデータは保たれるし、後から1台だけ大きい容量に変えることもできます。RAIDの再構成は必要になるが、柔軟性は高いです。

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空きBayが残っていれば、最初から大容量のHDDをそろえる必要はありません。手元のデータ量に合わせて段階的に追加することで、初期費用を抑えることもできます。

異なる容量のHDDを組み合わせる注意点

同じNASに異なる容量のHDDを組み合わせる場合、RAID構成では最小容量に制限されます

構成の自由度が高くなるほど、選択肢も広がります。ただ、その分だけ構成ミスによるトラブルも起きやすくなります。事前にRAID容量の試算ツールを使って、構成ごとの実効容量を把握しておくと、Bay数に応じた適切な判断がしやすくなります。

よくある選定ミスと避けるポイント

多くの人が陥りがちな失敗を知り、適切な計画を立てることで、効率的で安心なNAS運用が実現します。

合計容量だけで見積もってしまう

複数台のHDDを合計して「これだけあれば安心」と考えてしまうと、RAID構成による実効容量の減少を見落としやすいものです。

構成ごとの容量計算は、購入前に必ず確認しておくべき項目のひとつです。

上限ギリギリの運用を前提にしてしまう

「今ちょうど入るから大丈夫」と思っても、半年後には足りなくなっていることが多いです。容量が一杯に近づくと、動作も不安定になりやすいので、使用率が8割を超えない程度に余裕を持たせた構成が望ましいと言えます。

データの増加を見越していない

既存データをNASに移行するだけで満足し、今後の増加を考慮していないケースも少なくありません。写真や動画、日々の業務ファイルなどは、少しずつ確実に増えていきます。年単位でどれくらい増えるかを見積もり、それに合わせて設計しておくと無理がありません。

まとめ

データは常に増えていくものです。導入時にギリギリの構成を選んでしまうと、近いうちに再構成やHDDの買い足しに追われることになります。用途や保存頻度、Bay数、拡張のしやすさを踏まえて構成を組めば、後悔しない選び方ができます。

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